今週の1冊 連載

【今週の1冊】手のひらのドングリをやさしくギュッと抱きしめたくなる!

この季節、公園で子ども達を夢中にさせる「ドングリ」。

 

わが家も公園に行く時には、ドングリ用の袋が欠かせません!
夢中になって拾い集めた袋いっぱいのドングリに子どもたちは満足そうです。

 

大きいもの、小さいもの、細長いもの、形もさまざまで面白いですよね。

 

母たちは、“拾ってきたドングリどうしよう問題”に頭を悩ませますが。
ちょっと置いておいたら虫が湧いていて、「きゃー!」となった方も少なくないのでは…笑

 

本屋さんの絵本コーナーにもドングリの絵本が並びます。
さすが子どもたちの大好きなドングリ! 種類もいろいろ!

 

今週は、ドングリを通して命の大切さ生き物とのつながりを教えてくれる1冊『たったひとつのドングリが ‐すべての いのちを つなぐ‐』をご紹介します。

 

 

ドングリは森を作っている!!

「拾ったよ!」1歳次女の小さな手にかわいいドングリ

 

シンプルな言葉で命のつながりを描く絵本。

美しいイラストで描かれた森の中。

 

たったひとつのドングリから、
木がそだち、
木がそだてば、
トリがくる。

 

トリがゆすって、
落ちたタネから花が咲く。

そして花は実となり、動物が来て、また木からドングリがおちる。

 

そうやって森は命のめぐりを繰り返して豊かに育っていく。

 

舞台はアメリカ南部のカンバーランド高原。
世界でもっとも自然が豊かで、もっとも多くの生き物が暮らす地域のひとつです。

 

ここにはホワイトオーク(コナラの仲間)の木が土台となって生態系が成り立っているそう。
この木から落ちるドングリは、種でもあり、動物や虫たちの食料に。

そして欲張りなリスたちがドングリをあちこちに埋めて、そこから新しい木が育つのだそう。

 

なんてかわいい話なんだろう。

 

そんな詳しい内容も巻末に書かれていて、最後までじっくり読むと「森って、ドングリってすごい!」と感動してしまいます。

 

日本にもたくさんの森がありますよね。
同じように木からはドングリが落ち、動物や虫たちの食料となり、森の生態系を作っているのだと思います。

 

そして森は人間に水や酸素を与えてくれて、
木は紙や家具にもなってくれる。

大切な資源なんだな…

 

森や生態系を守るために「わたしたちにできることは?」

わたしたち人間にできることは何か、と問いかける終わりに、
身近なドングリから、子どもと一緒に環境のことを学ぶきっかけになりそうです。

 

 

去年行った@自然教育園

地面一面に、いっぱいのドングリが!!

だけどここでは生態系を守るためにドングリを拾うのは禁止。

「トリや虫のエサになるんだよ」

それを聞いて、長女は拾いたい気持ちをグッと我慢していました…笑

 

 

一方こちらは公園で拾った大量のドングリ。

たぶんコナラかマテバシイの実なのですが、どっちだろう…
あまりにもたくさん拾ったので、今年は食べてみよう!と張り切っています。

水に浸けて、浮いたものは虫食いの可能性があるのでサヨナラ!
残ったドングリをクッキーにしようと計画中。

おいしくできたらいいな!

 

たった ひとつの ドングリが ーすべてのいのちをつなぐー

著:ローラ・M・シェーファー 著:アダム・シェーファー
絵:フラン・プレストン=ガノン
評論社出版

ご購入はこちら

 

来週は、寝る前の読み聞かせにぴったりな一冊「おつきさまのともだち」をご紹介します。

 

都立大学の小さな絵本専門店「ニジノ絵本屋」

東京都目黒区平町1-23-20 TEL:03-6421-3105
営業時間:12:00~18:00(火定休) https://nijinoehonya.com/about

 

 

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ニジノ絵本屋

小さな絵本専門店「ニジノ絵本屋」。2011年、東急東横線「都立大学」駅近くにオープン。書店のほか、自社レーベルをはじめとする絵本の企画編集や出版を行う。音楽を交えた絵本の読み聞かせライブを仲間のアーティストたちと手がけており、2019年にはサマーソニックやグリーンルームフェスをはじめとしたフェスにも出演。書店/出版社経験ゼロで絵本屋をスタートしたエピソードをまとめたエッセイ『ニジノ絵本屋さんの本』(西日本出版社)が発売中。このコラムは、ニジノ絵本屋のメンバー絵本出版・営業担当のはるなが担当しています。

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