今週の1冊 連載

【今週の1冊】泣いてもいいんだよって、心をやさしく包んでくれる絵本

うれし涙、悔し涙、いろいろな感情を持って泣く子どもたちに成長を実感する瞬間ってありますよね?

ママは自分の涙腺がどうかしちゃったのかと思うほど、
子どもの成長やがんばっている姿を見ると自然と涙がこぼれてしまったり。

 

大人になると涙もろくなるなんて言うけれど、子どもも大人も涙の理由はさまざま。

 

でも思いっきり泣いた後ってスッキリして気持ちがよいですよね。

そう、涙は心のデトックス!!

 

今週は泣きたい気持ちにそっと寄り添ってくれる絵本『おなみだぽいぽい』をご紹介します。

 

うまく言えない泣きたい気持ち、ぽいと投げてみた

 

授業のとき先生の言うことがわからなくて、涙がこぼれそうになった主人公のわたし。

 

誰もいない場所で泣きました。

 

涙と鼻水でぐっしょりになったお気に入りのはんかち。
それを天井の穴めがけて投げました。

 

隠しておいた大好きなパンの耳も、今日はのどがつまってうまく食べられません。

あふれ出る涙をパンの耳で拭って、天井の穴に向かって投げると…。

 

ハトがパンの耳をキャッチ!

 

おなかのおくにあるかたまり

ぜんぶなみだになるように

よく なきました

 

涙を吸わせたパンの耳。

涙の塩気がちょうどいいって、全部ハトが食べてくれて。

 

そのおかげで、わたしの心がスーッと軽くなるお話です。

 

抽象的な表現が不思議なこのストーリーは、実は作者のごとうさんの実話が元になっているのだそう。
書籍の装画などで活躍されてきたイラストレーターのごとうみづきさんが、
長年温めて大切に描いた初めての絵本です。

 

 

昨年には、ニジノ絵本屋でも原画展とオンラインイベントを開催。
切ったり貼ったり塗ったり剥いだり、絵具や布テープが重なる原画は自由で独創的。
ごとうさんの思いが何層にもなってあふれているようでした。

青で満ちたページからは、あふれ出る涙に込められたさまざまな思いを感じます

 

心の奥にあったかたまりをぜ~んぶ出したら、とってもスッキリ!

「すきなうたうたってかえります」と、最後はわたしの気分も晴れやかに。

 

 

いつか娘たちがうまく言えないモヤモヤを抱えて泣きたい気持ちになる時には、
この絵本を開いて、心の中にある場所につらい思いをぽいぽいして欲しいな。

 

たくさん泣いていいんだよ。
涙と一緒にたくさん鼻水も出てしまうかもしれないけれど、
たくさん泣いてスッキリしたら明日また前を向いて歩けるよ。

この絵本が気持ちをやさしく包んでくれるはず。

 

絵本に出てくる”あの”おうち!

 

昨年の原画展では、わたし(ねずみ) が泣いていたおうち「ぽいぽいハウス」が登場!!

しかも作者のごとうさんの手作り!

 

天井の穴に、みんなの気持ちを「ぽいぽい」。

わが家の長女もお友達と一緒に楽しんでいました。

 

『おなみだぽいぽい』

作:ごとうみづき ミシマ社出版

ご購入はこちら

 

来週はおしゃれを楽しみたくなる絵本「あきのセーターをつくりに」をご紹介します。

 

都立大学の小さな絵本専門店「ニジノ絵本屋」

東京都目黒区平町1-23-20 TEL:03-6421-3105
営業時間:12:00~18:00(火定休) https://nijinoehonya.com/about

 

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ニジノ絵本屋

小さな絵本専門店「ニジノ絵本屋」。2011年、東急東横線「都立大学」駅近くにオープン。書店のほか、自社レーベルをはじめとする絵本の企画編集や出版を行う。音楽を交えた絵本の読み聞かせライブを仲間のアーティストたちと手がけており、2019年にはサマーソニックやグリーンルームフェスをはじめとしたフェスにも出演。書店/出版社経験ゼロで絵本屋をスタートしたエピソードをまとめたエッセイ『ニジノ絵本屋さんの本』(西日本出版社)が発売中。このコラムは、ニジノ絵本屋のメンバー。うたうヒゲとおどるマリオネットのジャグバンド「TheWorthless(ザ・ワースレス)」のうたとウクレレを担当している2人の娘のお母さん、sunny(サニー)が担当しています。

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