ニジノ絵本屋は東京都目黒区にある小さな絵本専門店です。
しかも、ただの絵本屋ではありません。
絵本を売るだけではなく、出版もやっているのです。
以前ご紹介した「すきやき」や、私がウクレレと歌を担当しているバンド「ザ・ワースレス」のおどれる絵本「OPEN」などなど、これまでにたくさんの絵本を出版しています。
そしてまた新しい絵本ができました!!
店内では今、その絵本の原画展を開催しているのですが、
クロスが敷かれたテーブルにお皿や果物、果物の種や実が並びなんだかいつもと違う雰囲気。。
ここは本当に絵本屋?
なにやらレストランのようになっています。
今週は昨年12月に発売になったばかり、できたてほやほやの1冊『種をあつめる少年』をご紹介します。
輝く星の秘密って?
山羊の格好をしたかわいらしい坊ちゃん。
少し不器用だけれどレストランのお手伝いをしてくれます。
レストランがしずまるころ。キッチンのテーブルでスープとパンを食べ、それからその日捨てられる野菜や果物の種をあつめて持って帰る坊ちゃん。
夜になると坊ちゃんは山羊の姿に変わり、集めた種を夜空にまくのです。
その種はまたたく星となり、大地にきらきらと降り注ぎ…。
普段であれば捨てられてしまう種が夜空にきらめく星に!
なんて幻想的なものがたり!!
作者はフードディレクターのさわのめぐみさん。
10代のころから書きためていた「夢日記」を元に作られたストーリーで、料理というおしごとをしているうちに、「種」という存在に「小さな生命の源」を感じていたそう。
あとがきに綴られた「種への想い」には、
捨てられてしまう種こそ「小さな生命の源」なんだと感じさせられます。
中村まふねさんによる銅版画で描く絵は繊細な線と色彩が、イラストのかわいさをしなやかに美しく表現し、物語をより魅力的に見せてくれます。
原画展開催中の店内にも銅版画の原版を展示していて、
実際に見るとその繊細で細かい線に見入ってしまいます。
原画のほかにも置物やポストカードなど、中村さんの作品が展示販売されていますて、これがまたかわいい!!! 乙女心を掴まれる作品がズラリ。
そしてレストランのようなしつらえの机の上のお皿には、たくさんの種が!
絵本を読んだ後だと、とても愛しいものに思えてきます。
長女もいろんな色や形の種に興味津々。
これを土に埋めれば芽が出て育つ。当たり前のことだけど、改めて力強さを感じます。
原画展は1月31日(月)まで。
お近くにいらした際にはぜひ生で絵本の世界を感じてみて欲しいです!
絵本にはこんな秘密も
丸く穴が開いた表紙。カバーを取ってみると…
星座に囲まれた坊ちゃん!
イタリア語で書かれたタイトルは金の箔押しです。
ニジノ絵本屋で出版している絵本は日本語と英語のバイリンガル仕様なのですが、今回はイタリア語とのバイリンガル仕様!
イタリアは作者のさわのさんが料理を学んだゆかりのある国なんだそう。
イタリアにもこの絵本が届くといいな。
星ってこんなにあったんだ!
年末年始、帰省した実家で見た夜空に輝く星に感動!
こんなにたくさんの星が見えるなんてすっかり忘れていました。
寝る前に娘たちと外へ出て、たくさんの星座を探すことができました。
ちょうどしぶんぎ流星群が現れる時間にも外へ!
しばらく粘りましたが、残念ながら流星は見られませんでした。。
絵本の中の流星群を見て、次回の流星群に思いを馳せようと思います。
『種をあつめる少年』
作:さわのめぐみ 絵:中村まふね ニジノ絵本屋出版
次回は、猫の毛並みでなんでもわかっちゃう?!「ネコナデール船長」をご紹介します。