今週の1冊 連載

【今週の1冊】あたたかく見守るまなざしに子ども心もホッ

この季節、ふと空を見上げてみるとつばめの姿を目にすることがあります。

一年に一度、遠い南の国から自分の育った所へ戻ってきて
夏が終わるとまた遠くへ行ってしまう渡り鳥。

好奇心旺盛な子どもたちに、ぜひ絵本でつばめについて教えてあげたくなる『おじさんとつばめ』をご紹介します。

 

つばめの成長ものがたり

とある下町の工場につばめが巣を作り、かわいい4羽の赤ちゃんが生まれました。エサを食べてぐんぐん大きくなるつばめたち。
ある日、1羽の赤ちゃんが巣から飛び立ちます。初めて飛び立った外の世界。
まだ上手に飛べない赤ちゃんは、信号待ちの車の上に止まってしまいます…。

 

巣作りから巣立ちまでをおうえんする工場のおじさんと、がんばるつばめの家族たち。
つばめの子育てをやさしく見守る心に胸がほっこりするストーリーです。

 

巣立ちの前にいっしょうけんめいに飛ぶ練習をする4羽のつばめたち。

ハラハラドキドキな瞬間ですが、母つばめはそばで見守ります。

チャレンジする子どもをジッと見守るつばめの子育てを通して、人間の子育てにもそれって大切なんだよな、と。
ついつい口を出してしまう自分を反省…。

 

人間とつばめのやさしい関係

つばめは人間と近い場所での子育てがすきで、
「つばめが巣を作る家は栄える」という言い伝えがあるくらい、人間とつばめはやさしい関係。

巣の前にはフンやヒナが落ちてこないよう支えを設けたり、つばめを守る工夫がされている場所も多いですよね。

自然の少ない場所では巣作りの材料やエサの確保が難しく、つばめにとって都会での子育ては大変そのもの。

だからこそ、カラスなどの天敵からヒナを守り安心して子育てができるよう、人間と近い距離に巣をつくるのだそうです。

 

 

作者のまつどふみこさんが、つばめたちとそれを見守るおじさんに感銘を受けて描いた「おじさんとつばめ」。

私自身もこの絵本を読んでから、つばめのことがとても気になるようになりました。
毎年目にする身近な存在なのに、実はあまりよく知らなかったな…。

今ではつばめが巣立つ練習をしている姿を見ると、「がんばれー!」と娘と応援してしまいます。

見守る心の大切さ、そんなやさしい心を子どもにも教えてくれる一冊です。

 

 

先日、「つばめの巣があるよ!」と近所のお友達が教えてくれて、早速娘たちと行ってきました。

ぎゅうぎゅうの巣から頭を出してエサを待つ姿が愛らしく、巣立ちのときまでしっかり大きくなるんだよ。とあたたかい気持ちになりました。

 

おじさんとつばめ』

作・絵:まつどふみこ Fumiko Workshop出版

ご購入はこちら

 

来週は毎日頑張っているお母さんに届けたい!!
『COFFEE TIME -珈琲とめぐる毎日-』をご紹介します。

 

都立大学の小さな絵本専門店「ニジノ絵本屋」
東京都目黒区平町1-23-20 TEL:03-6421-3105
営業時間:12:00~18:00(火定休) https://nijinoehonya.com/about

 

 

 

 

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ニジノ絵本屋

小さな絵本専門店「ニジノ絵本屋」。2011年、東急東横線「都立大学」駅近くにオープン。書店のほか、自社レーベルをはじめとする絵本の企画編集や出版を行う。音楽を交えた絵本の読み聞かせライブを仲間のアーティストたちと手がけており、2019年にはサマーソニックやグリーンルームフェスをはじめとしたフェスにも出演。書店/出版社経験ゼロで絵本屋をスタートしたエピソードをまとめたエッセイ『ニジノ絵本屋さんの本』(西日本出版社)が発売中。このコラムは、ニジノ絵本屋のメンバー絵本出版・営業担当のはるなが担当しています。

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