大阪で生まれた人形芝居・文楽。大阪には国立文楽劇場があり、毎年、夏公演の午前の部では子ども向けの演目を上演しています(親子劇場)。
今年は「靭ざる」と「舌切りすずめ」の2つのお話です。
親子劇場とあって客席には子どものお客さんでいっぱい。
わが家は7歳と4歳の子ども連れです。これから何が始まるのかワクワクしている感じが客席全体から伝わります。
開演15分前、「三番叟」のめでたい調子で幕開きを飾ったあと、いよいよ最初の演目「靭ざる」です。
まず、演者さんが舞台に登場し、靭ってなに?との説明から。
大人でも知らない人が多い靭、弓矢をしまっておくケースのことだと実物も見せてくれて一同納得。
通常公演ではこんな親切な説明はありません!
それではようやくお話スタート。
義太夫節と三味線の軽やかな調子で始まり、立派な着物を着た大名の人形が登場すると子どもたちは演者にくぎづけです。
しかし、義太夫節は同じ調子が続くときもあるので子どもなら集中が途切れがち。
ソワソワする子もいます。
そこへさっそうと現れたお猿さんと猿曳のおじさん(の人形)!
「靭ざる」は狂言のお話の文楽版で、とにかく動きがユーモラス。
リズミカルなお猿さんの踊りに子どもたちも目を奪われ、いつの間にか引き込まれているのでした。
続いて人形遣いの演者さんによる「文楽ってなぁに?」という人形の動かし方の説明があり、しばし休憩タイム。
決められたスペースでおやつを食べ、エネルギーをチャージしたのち、
いよいよお待ちかねの「舌切すずめ」へ!
みんな知ってる昔話。
我が家の娘たちは人形劇でも見たことがありますが、文楽にアレンジされるとセットの立派さや、
背景チェンジのからくりに目を丸くしていました。
中でも圧巻は、すずめ達が本当に宙を舞っていること!
人形遣いさんによる命がけ?のワイヤーアクションです。
おばあさんが開けたつづらから出てくるお化けたちも見ものです。
下の娘はがっちり私の腕を掴んできました(笑)
終わる頃にはすっかり楽しんだ様子で、満足な2時間でした。
こんなご時世ですが、芸能は必要と実感した一日でした。
千秋楽が迫っていますがお子さんと足をお運びになってはいかがでしょうか。
11月の錦秋公演、または東京国立劇場で行われる9月公演もあります。
どちらも大人向けですが、小学生高学年なら楽しめると思います。