今週の1冊 連載

【今週の1冊】唯一無二の考える絵本。くまになってみたいと思ったことは? 愛にあふれた美しいお話

“まぁるいお皿に並べましょう

赤青黄色 お好きにどうぞ

せっかくですから 美味しく戴こう”

 

これはワースレスの「おままごと」という曲の歌詞です。

三拍子のかわいいリズムに不思議な歌詞。イントロのバンジョーの音色も印象的で、好きな曲のひとつです。

 

1冊の絵本から1曲を作り歌うワースレス。
わたしはうたとウクレレを担当しています。

 

曲を作っているのはリーダーのごうくん。
絵本を読んで、その感想文のように曲を作っているそう。

ヒゲとメガネと蝶ネクタイがトレードマークのワースレス。メンバーにはロバのマリオネットもいます

 

絵本の世界にピッタリの曲を作るのが得意で、
「おままごと」はとくに絵本の世界観に寄り添っているような曲です。

 

今週は、その「おままごと」がうまれたきっかけの絵本『くままでのおさらい』をご紹介します。

 

 

ぱくぱくごっくん、恋人まで食べちゃったらどうなる…??

 

主人公はひとりの女の子。

 

あるひ

おさらのうえのくじらさんを

ぱくぱく ごっくん

 

つぎのひ

わたしは くじらさんになっていて

ねむれぬ よるを すごす こいびとに

とくべつな こえで こもりうたを うたってあげました

 

 

はじめから不思議な展開。

女の子はお皿の上のいろんなものをぱくぱくごっくん。

 

ひつじさんを食べて
寒がりの恋人にセーターを編んであげたり、
うさぎさんを食べて涙を流したり。

 

 

ある日、お皿の上のくまさんを食べ、次の日くまさんになった女の子

恋人と森へピクニックへ。

 

そして、おさらのうえには恋人が…。

 

やわらかい版画の絵と裏腹に、
どうゆうことかな? と考えさせられるちょっぴりシュールなストーリー。

帯に書かれた
「きみとわたしの さかいめは どこだろう?」
という一文を胸に、もう一度読み返しました。

 

大好きな人のためになりたい自分になっていく
ってことなのかな。

 

それって子どものためにがんばるお母さんに似ている気がしました。

 

子どもによりよい人生を歩んでほしい!と日々奮闘するお母さん。

毎日のごはん、習いごと選びや学校選び。悩んだときには育児本を読んでみたり、、子どものためならとってもがんばれちゃう。

 

食べちゃいたいくらいかわいいわが子。
お皿の上に置いてぱくぱくごっくん♪ しちゃいたいくらい愛おしいものです。

 

わたし自身も子どもを産んでから生活はもちろん、考えも変わりました。
生まれてきた子どもたちだって性格はいろいろ。
違う感情を持っているって楽しいこともたくさん、悩むこともたくさん。

 

でも誰かを想って変わっていく

この絵本は、想うことの本当の意味を考えさせられる一冊です。

子どもと一緒にいろいろ考えてみるのも楽しそうです。

 

作者は京都府出身の画家でアーティストの井上奈奈さん。
彼女の描く動物の絵本は繊細で臨場感に満ちています。

そしてこの絵本、小さくて持ち歩きやすいハンディ版とスペシャルな特装版があります。
特装版はひとつひとつ手製本で作られていて「世界で最も美しい本コンクール」の銀賞を受賞した宝物のような絵本。
手に取るとその美しさと特別感が伝わってきます。

バッグにしのばせて持ち運べるハンディ版はお出かけにもぴったり

 

 

”好きも嫌いもお鍋に入れて

吹きこぼれぬよう 気をつけましょう

今日が一番の私の料理

味付けはあなたとの思い出”

ワースレスの曲「おままごと」のフレーズ。

絵本を手に、このメロディと重ね合わせて楽しんでもらえたらうれしいです。

 

互いを想いながら育つ姉妹

 

先日次女が2歳になりました!

名前を呼んで、お姉ちゃんにたくさん話しかける甘えん坊さん。最近は2人で楽しく遊べることも多くなりました。

成長していく中で、相手の存在があるから変わっていく。
そんな2人の姿が愛おしい毎日です。

 

『くままでのおさらい

文・絵:井上奈奈 発行:ビーナイス

ご購入はこちら

 

 

次週は、雪と景色が美しい!飛び出す絵本「ふゆのまえのおとしもの」をご紹介します。

 

 

都立大学の小さな絵本専門店「ニジノ絵本屋」

東京都目黒区平町1-23-20 TEL:03-6421-3105
営業時間:12:00~18:00(火定休) https://nijinoehonya.com/about

 

 

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ニジノ絵本屋

小さな絵本専門店「ニジノ絵本屋」。2011年、東急東横線「都立大学」駅近くにオープン。書店のほか、自社レーベルをはじめとする絵本の企画編集や出版を行う。音楽を交えた絵本の読み聞かせライブを仲間のアーティストたちと手がけており、2019年にはサマーソニックやグリーンルームフェスをはじめとしたフェスにも出演。書店/出版社経験ゼロで絵本屋をスタートしたエピソードをまとめたエッセイ『ニジノ絵本屋さんの本』(西日本出版社)が発売中。このコラムは、ニジノ絵本屋のメンバー。うたうヒゲとおどるマリオネットのジャグバンド「TheWorthless(ザ・ワースレス)」のうたとウクレレを担当している2人の娘のお母さん、sunny(サニー)が担当しています。

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