公園を歩いていたら次女の服にひっつき虫が付いていました。
原っぱや草むらを歩いていると、いつの間にか洋服にくっついていたりしますよね。
このひっつき虫、「ヌスビトハギ」と言って、漢字で書くと「盗人萩」と呼ぶ植物の種で、形が泥棒の足跡に似ているからこの名前になったそう。
泥棒のように人の後にひっついていく、という由来もあったりするそうです。
ヌスビトハギをふたつ並べて胸元にぺたり!
泥棒の足跡がハートのブローチになりました!
植物の名前にもなっている泥棒。
絵本や昔話にも泥棒ってちょこちょこ登場しますよね。
今週はどろぼうが主人公のお話『どろぼうがないた』をご紹介します。
植物に触れ変わっていくどろぼう。はじめて流した涙の理由は…
あるところにどろぼうがいた。
夜になるとお金持ちの家に忍び込んでたからものを盗み出す。
どろぼうはふたつの国の立派なお城が見える丘の上に住んでいた。
ある夜盗んできた小さい箱を開けてみると、
中には土の入った小さい鉢が入っていた。
「ちぇっ!こんなもの、なんの ねうちもない!」
とがっかりしたどろぼうだったが、次の朝鉢をのぞくと小さな芽が出ていた。
毎日のぞくたびに伸びている芽。
一緒に暮らしているうちに大切に育てるようになった。
芽を育てることが面白くなったどろぼうは、盗みをやめ、今まで盗んだたからものやほうせきをこっそり返しにいくようになった。
そして、小屋の裏に畑を作り野菜を育てるように。
自分で食べきれないときは町に野菜を売りに行ったり。
花が咲いたら絵を描こうと、野菜を買ったお金で画材を買い小屋に帰ろうとしたその時、
ドカーン!!
ドドカーン!!!
小屋のある丘の上を見ると、けんややりを持った兵士たち。
「せんそうだ!せんそうがはじまったぞ!!」
あわてて小屋に戻ったどろぼうだったが…
とても悲しい結末。
どろぼうも泣きますが、わたしも泣きました…。
けれど、絵本の本当の終わりは表紙に隠されています。
表紙と裏表紙を一面に開いて見ると…
また胸がいっぱいになります。
ひとりぼっちで孤独などろぼうが植物に愛を持ち、人と触れ合うことで変わっていく物語。
戦争の悲しさも伝える作品です。
「どろぼうがいいひとになってよかったね」と、4歳の長女。
小学生になって、中学生、高校生…、成長して読むたびに感じることが変わり子どもの心を育んでくれる気がします。
大人になっても本棚に大切に置いておきたい一冊。
ふくだじゅんこさんの絵は、繊細なタッチで描かれた海外の絵本のようで素敵! 「芽」と出会って変わっていくどろぼうも、温かみがあり表情豊か!
作者は杉川としひろさん。
元保育士で現在はあそびうたのお兄さん。ニジノ絵本屋でもおなじみのメンバーです。
杉川さんと一緒にあそぶイベントはいつも大人気で、コロナ前は毎月、親子みんなでいろんな遊びや歌を一緒に楽しんでいました。
今はオンラインであそびうたのイベントを開催!
おうちにいながら楽しく遊べるので、ぜひチェックしてみてくださいね!
娘も大好きな杉川おにいさん
長女が2歳のころ。
大好きな杉川さんに会うと、いつも嬉しそうに抱っこをせがんでいました(笑)
『どろぼうがないた』
作:杉川としひろ 絵:ふくだじゅんこ 冨山房インターナショナル出版
年内最後12月11日(土)開催。クリスマススにちなんだスペシャルな内容をお届け予定ですので、お楽しみに!!
詳しくはこちら↓
http://nijinoehonya.shop/?pid=152577529
次回は、そんなひみつがあったとは!奇想天外な絵本「たぬきのひみつ」をご紹介します。